年末年始の高山旅行記、思いのほかボーリューミーになってしまったため前後編に分けました。
というわけで後編の始まり始まり~
日枝神社
アニメでは「荒楠神社」として登場しています。十文字かほさんのお家でもあります。
年が変わった瞬間、つまり1月1日の0時に日枝神社に初詣に行きました。
実際、作中で奉太郎と千反田さんがお参りするのは1月1日の夕方~夜なのですが、まあそれはそれ。
普通に考えて千反田家のご令嬢と奉太郎がそんな深夜に初詣なんて許されざる行いですからね……。
6年か7年前の年越し高山がめちゃくちゃ大雪でめちゃくちゃ寒くて日枝神社までの道中終始震えていたので、未だにその印象が強くもっこもこに着ぶくれて行ったのですが、今年はわりとイージーモードでした。
ホッカイロなくても余裕!耳もちぎれそうにならない!
しかし日枝神社までの道のりは本当に人気もなく、暗いし怖いです。しかも市街地から少し外れたところにあるんですよね。
ただ、不思議なことに日枝神社に到着すると人がかなりいます。
主に地元の方がお参りするからみんな車でくるんでしょうか。
お参りまで長い列に並びます。
驚くことに、中学生・高校生らしきグループをけっこう見かけました。それを考えると古典部の面々もこの時間に初詣を……と思うのですが、いやいや千反田家のご令嬢がそんな深夜に男子学生と一緒になんて許されざることですよ。(2回目)
お参りの後は振る舞いの甘酒もしくは昆布茶を。
どちらか選べるんですが、今回は昆布茶にしました。
作中だと甘酒と団子汁でしたね。バイトの子が引っくり返してしまったやつ……。
近くで火が焚かれていて参拝者はみんなこの付近に固まっていました。
火は偉大。めちゃくちゃあったかい。
火にあたりながら昆布茶をいただいていた時に、急ぎ足の巫女さん(眼鏡+一つ結び)が振る舞いのお鍋のところに慌てて来たのを目撃し、「リ、リアルかほさん……!」と感動しておりました。
ちなみに日枝神社で引いたおみくじは大吉でした!!
今年は良いことありそう。
オススメ年越しそば
やよいそば
初詣の後はやっぱり年越しそばでしょう、ということで日枝神社に参拝したその足で『やよいそば』に向かいラーメンをいただきました。(そばじゃないんかい)
いくら1月1日で年越しそば需要があるとはいえ、深夜に営業しているお店は限られます。その中でも『やよいそば』はだいたい年始は深夜でも営業しているので助かりますね。
この時点で深夜2時くらい。
ここでも高校生・大学生くらいの若いグループがけっこういて「青春だなあ」と眺めながらラーメンをズルズルしてました。
飛騨そば 小舟
贅沢に飛騨牛が一枚どーんと載ったお蕎麦が有名な『飛騨そば 小舟』さん。
こちらは深夜までやっているわけではないのですが、12/31の夜まではやっているので少し早めの年越しそばに最適です。
稲荷神社
日枝神社の境内にある稲荷神社、こちらもアニメには登場していませんが原作『いまさら翼といわれても』に収録されている「長い休日」にそれらしい描写が出てきます。
稲荷の祠は、拝殿の横から延びる小径の先にあるという。(中略)小径は上り坂で始まり、すぐ先で階段になっている。(中略)一対の狛狐のまわりを8の字で巡って、千反田がにこりとする。
荒楠神社にやってきた奉太郎がひょんなことから千反田さんと一緒にお稲荷様の祠を掃除することになったシーンです。
8の字8の字。
こちらも順当にいけば、コミカライズで詳しいビジュアルが出るはずです。
一本杉白山神社
アニメで出てきた奉太郎の家の前にある神社です。
そして、奉太郎の家がある場所には実際は何もなく、石碑のようなものが建っています。
たしかコメンタリーで武本監督が奉太郎の家の間取りなんかは自分の家を参考にした、ということを言っていたような……。(うろ覚えですみません)
日枝神社に参拝した後、こちらの神社にもお参りしました。
深夜だったにも関わらず、氏子さんたちがちゃんといてお神酒もいただきました。
横の小径にずらりと幟が並んで、夜はとても雰囲気があります。
櫻山八幡宮
櫻山八幡宮はアニメには登場していないんですが、実は原作の荒楠神社はどうも日枝神社と櫻山八幡宮(ともしかしたら他の神社も?)を合体させているようなんです。
『ふたりの距離の概算』を読んでいるとよく分かります。
道の細い住宅街を抜け、荒楠神社に向かう参道にさしかかったのだ。道の幅は広く、左右には店が軒を連ねている。正月や春秋の祭りでは賑わう通りだが、いまはしんと静まって、幟だけが色鮮やかに見えている。
日枝神社の参道にはお店などはありません。一方、櫻山八幡宮の参道は両脇にお店がずらりと並んでいます。
ほとんど無人の参道を漫然と歩いていく。緩やかな下り坂がまっすぐ続いている。 参道の入り口にある大鳥居をくぐれば、コースに戻れる。
大鳥居というと遠くからでも存在感のある宮前橋の大鳥居を連想します。
この先はすぐ櫻山八幡宮の参道となります。
腕を上げ、大日向は店の一つを指さした。大きな和傘と畳敷きの縁台が軒先に置いてある。(中略)大日向が指した団子屋は良心的だった。観光地価格でも買う人はいるだろうに、壁に貼られた和紙には「一本八十円」と書かれている。(中略)店をやっているのは人の好さそうな老女だった。(中略)「みたらしと、よもぎがあるよ」と言った。
櫻山八幡宮の参道にはいくつか団子屋があります。
個人的に一番近いのは飛州屋かなあと思います。
畳敷きの縁台、みたらし一本八十円、というところが同じです。
あともう一つこのお店が近いかなあと感じた理由があるのですが、それは以前行った時にはよもぎだんごもあったからです。
なぜか今回は無くなっていました。メニュー数は増えているのに……。
そして「赤い傘」は残念ながらこの参道のお店では見当たりませんでした。
まあ、正直『ふたりの距離の概算』連載時やましてや作中の年代からはだいぶ経っているのでこの参道の様子も変わっていると思います。
また、お店は全く別のところから持ってきているという可能性も十分ありますのであしからず。
こちらもコミカライズでマラソンコースと供に団子屋も出てくるのが楽しみです!
おすすめカフェ
茶香房 ひより
櫻山八幡宮の参道にひっそりと佇む日本茶の専門店です。ひっそりしすぎて初見だと本当に素通りしてしまうと思います。
しかしこのお店、お茶への情熱がすごい。
美味しいお茶というのは茶葉自体も美味しいらしく、小皿に一つまみ程度の茶葉を盛って出してくれて、ぽりぽり食べられます。
これが本当にうま味がすごい!茶葉を食べたのはこのお店が初めてです。
気に入ったら茶葉を購入することもできます。
私は速攻でこちらで出していただいた煎茶「日本平見驚」をお土産に購入しました。
高山市民文化会館
こちらもアニメには登場していません。『いまさら翼といわれても』の表題作に「神山市民文化会館」として出てきます。
神山市民文化会館は赤レンガのようなタイルに覆われた四階建てで、大ホールと小ホールのふたつを備えた堂々たる施設だ。収容人数は知らなかったが、案内板を見たところ大ホールには千二百人、小ホールには四百人が入るらしい。黒い大理石が敷かれた吹き抜けのエントランスホールには「江嶋合唱祭」の立て看板が立てられ、けっこう大勢の人がうろうろしていた。
2022年6月2日にこちらの文化会館で原作者の米澤先生の講演会がありました。
先生ご自身が高山市民文化会館を舞台にしていると明言されています。
※木曜日という平日ど真ん中だったので参加できなかったのくやしいいいいい。(心の叫び)
「最近文化会館に来たことがあるような気がしたんですが、考えてみれば『いまさら翼と言われても』の舞台のモデルがここなので、画像と見取り図をさんざん見たんでした」とお話しするのを忘れた。
— 米澤穂信 (@honobu_yonezawa) 2022年6月2日
しかし、こちらも2017年に外壁の改修工事が行われ赤レンガのようなタイルでは無くなってしまいました。
不覚にも改修前の手持ちの写真が見つからなかったので、高山市役所公式HPの画像を引用させていただきます。
たしかに赤レンガのような外観。
現在はどちらかというと黒っぽいシックな感じですね。
時間がある時に一度作中で奉太郎が乗ったバスルートを辿りたいなあ、と思ってるんですがなかなかそこまでする余裕がない……。
MOZART(モーツアルト)
高山市民文化会館のほど近くにある洋菓子店です。中にはイートインスペースもあります。
『いまさら翼といわれても』に収録されている「わたしたちの伝説の一冊」、このお話に「バイロン」という洋菓子店が出てきます。
「『バイロン』ってお店、わかるかな」 「文化会館のそばの、ケーキのお店のこと?」(中略)白壁と群青色の瓦屋根が印象的な洋菓子店、『バイロン』の前についていた。
初出は2016年10月号の「文芸カドカワ」でしたが、こちらが出てすぐに高山「氷菓」応援委員会様が「モデルのお店は高山にあるモーツアルトさんでは?」と紹介され、ファンの間ではすっかり定番の聖地となっておりました。
さすが地元の方!
そしてなんとなんと、月刊少年エース2022年5~9月号の漫画版氷菓に「バイロン」のビジュアルが出てきて、晴れてこちらのお店がモデルということが確定したのでした。
残念ながら2023年1月時点ではまだこのお話はコミックに収録されていないので読めるのは月刊少年エースだけです。
親切なことに、河内先輩と摩耶花が座っていた席にはお店の方が漫画の切り抜きを設置して紹介してくれています。
さらにお店の一角には氷菓コーナーも!
※お店の方の許可を得て撮影しています。
茶器類のデザインも一緒ですね。
今回はお店おすすめの「黒い森」のケーキをいただきました!
焼き菓子やクッキーも購入できるのでぜひ立ち寄ってみてはいかがでしょう。
飛騨一之宮水無神社
作中では「水梨神社」として登場します。
最終話で生きびな祭りが行われた神社ですね。
特になにも行事のない普段はけっこう静かなんですが、さすがに年末年始は地元の方たちでごった返しています。
しかし観光客はほぼいないです。
お参りするまでにもけっこう並びます。
そしてこちらの神社、車のお祓いもやっているので境内に車がずらりと並んでいる光景も少し面白いです。
生きびな祭りのパネルも置いてありました。
開催日が空欄なのが少し悲しい……。
コロナで長らく延期されているようなので、今年は久しぶりに開催できるといいですよね。
私も久しぶりに見に行きたいです。
今年はうさぎ年、ということでうさぎの土鈴がとても可愛かったのでお持ち帰りしました。あとは定番の巾着守り。こちらも巾着型が可愛らしい。
来るたびに巾着守りは頂いている気がします。
そしてこちらの水無神社さんには夫婦守(めおとまもり)というものがあります。
いや、私自身は独身なんですけどね、ええ、これはぜひとも奉太郎とえるちゃんに末長く仲良くいてもらいたいという思いで以前こちらも頂きました。
紅白で大変おめでたい感じ。
今はうちのねんどろいど奉えるちゃんにお供えしています。
臥龍桜
こちらも最終話に登場したとても立派な桜の木です。
実際の生きびな祭りの行列は臥龍桜の前は通りません。駅をはさんで反対側なので水無神社から臥龍桜まではけっこうあります。
この雪の中をえっちらおっちら進みました。雪仕様でもなんでもないただの運動靴で。
足元びっしょびしょですよ。
しかし、雪の臥龍桜もなかなか良いものです。
年末年始は観光客もいないのでだいたいこの景色を独り占めできます。
さすがに地元の方もここまでは来ないみたいですね。
「ここがわたしの場所です」
アクスタ万歳!!
もうこの雛仕様の千反田さんのアクスタを手にした時からこれをやりたくてやりたくて。
惜しむらくは対となる奉太郎のアクスタもあれば言うことなしなんですが、さすがに私服の奉太郎のアクスタは公式も出してくれませんでしたね……。
最後に
「氷菓」10周年記念スタンプラリー 開催決定おめでとうございます!🎉🎉🎉
高山市主催の重ね捺しスタンプラリーだそうです。楽しみすぎる。
実は高山にいる時、地元の方に教えてもらってスタンプラリーの情報が載った「広報たかやま」ちゃっかりゲットしてました。
※高山市役所等で無料で配布されています。
持つべきものは地元の方とのコネクション。
しかしTwitterなどではスタンプラリーのスの字もなく……我先にツイートするのもなあとタイミングを伺ってました。
いや、広報誌に出てる時点で別にいいんでしょうけど。むしろ宣伝したほうがいいんでしょうけど。
しばらくしてスタンプラリーのツイートしている方がいたので無事、私も便乗してお祝いのツイートしました。
もちろんweb上でもこちらの広報たかやま見ることができますのでご安心を。
ご存知の通り高山に行ったばかりですが、近々スタンプラリーのためにまた行きます!
氷菓10周年year引き続き楽しみましょう!🕺
ここまでお付き合いいただきありがとうございました!