LIFE LOG(初雪草とヤドカリ、あるいは)

初雪草とヤドカリ、あるいは

読書感想、アニメ感想、舞台探訪など。オタクな日々。

映画『すずめの戸締まり』舞台挨拶レポ&感想

11/12(土)、TOHOシネマズ池袋の『すずめの戸締まり』舞台挨拶上映を観てきました。

 

※こちらは写真撮影okだった舞台挨拶

 

 

まず、結論から言うとすっっっごく良かったです!!

 

そんなわけで舞台挨拶のレポと最後に作品の感想なんかを書いていきたいと思います。

 

㊟本作および過去作のネタバレを含みます。

㊟レポはメモ書きををもとにしたものなのでニュアンス等違う場合があります。

 

 

監督登場

  • 自己紹介で「君の名は。の…」と言い間違えてしまう新海監督。
  • 今の気持ちについて「とても怖い」。興行収入が微妙だったり、観ている人の心に届かなかったらもう無職になるしかない(笑)
  • すずめは2020年から作り始めたけれど、君の名は。も3.11のメタファーであり、そこから6年間作り続けていたような気持ち。

 

ここで、「自信作です!」「過去最高作です!」とか言わないところがとても新海監督らしい

 

声をあててくれたキャストさんについて

  • 誰の話を聞きたいか観客にアンケートをとる監督
    ➡芹澤に一番多く手が上がる。

 

*芹澤朋也

草太の友人。口ぶりや振る舞いは乱暴だが友達思いな青年。愛車は赤いスポーツカー。

https://suzume-tojimari-movie.jp/assets/images/ver3/character/image11.jpg

引用:https://suzume-tojimari-movie.jp/

 

  • この一つ前のムービックス埼玉の舞台挨拶でも同じ質問をして芹澤が一番多かったそう。
    (監督)「なぜ芹澤が一番多いの(笑)」
  • 芹澤はとても重要な役、ミッドポイントを担っている。

 

*ミッドポイント

ミッドポイント (Midpoint) は、全体のおよそ半分、第二幕の中間60分ほどで起こる非常に重要なイベントである。ここで映画は前半と後半に分かれる。ミッドポイントからは主人公の危険度が急に上がる。
主人公が敵対者と大きく衝突するため、このイベントはターニングポイントと同じ程度かそれ以上の転換シーンになる。
ミッドポイントでは突然、主人公の目的や主張 (argument) を打ち砕く何かが起こり、ストーリーを正反対に方向転換させる。

引用:三幕構成 - 第二幕 (対立、衝突) - わかりやすく解説 Weblio辞書

 

  • 草太にも別の世界(日常)があると認識させる存在。
    (芹澤の登場でガラッと場面が変わる)
  • すずめを遠くまで導く存在。
  • 神木くんにぜひ演じて欲しかった。神木くんにしかできない役。
  • 当然受けてくれると思ってオファーしたらなんと一度断られた。
    (断った理由は君の名は。の主人公である瀧役をやっているのでそのイメージを大事にしたかったそう。)
  • 監督直々に神木くんに電話をしてなんとか受けてくれるよう頼んだ。
  • 瀧くんとは違う芝居を目指した。低めのトーン。
  • 監督は芹澤の車が落ちるシーンがお気に入り。

 

新海監督、神木くんのこと大好きすぎる

 

音楽について

  • 少女の成長の物語なので、女性の声のほうがいいのではないか?とRADWIMPS野田洋次郎さんから提案を受けた。
    (そこで十明さんに主題歌の歌唱を依頼)
  • 違う映画の音を作るために、今作では新たに劇伴作家の陣内一真さんに入ってもらった。
  • キャラクターの叫びや喋りを邪魔しない劇場のための音楽になっていると思う。

 

質疑応答

  1. なぜ今作では実際に起きた災害(東日本大震災)をテーマにしたのか?

    監督の娘さんが現在12歳で震災の時は1歳だった。
    あんなに大きな災害だったけれど娘さんの記憶にはあまり残っていない。
    いま作れば若い人に向けて共通体験としてつなげられるかもしれないと思った。
    ※これについては詳しくは新海誠本(監督曰く薄い本)に載っています。

  2. 最後の子すずめ(子どものすずめ)とすずめのシーンについて

    一番大事なシーン。
    小林直樹さんという若手のアニメーターさんに担当してもらった。
    実際の子どもの動きを参考にしている。
    バックではずっとすずめのテーマソングが流れている(ル、ルール、ルルルールのハミング)
    すずめが子すずめに「大丈夫」というシーンについて、
    星のこえ、秒速、天気の子でも「大丈夫」というセリフを使っていて、これまでは誰かに向けての「大丈夫」だったけれど今作では自分に向かって言っている。
    「自分が自分に救われる」物語。
    ※「子すずめ」という名称は実際に現場でもスタッフ用語として使われていたそうです。

  3. キャラクターをよく旅に出させるのはなぜか?

    環さんとすずめが言いあうシーン、あれはサダイジンが環に言わせた言葉だけど、心のどこかにそういう気持ちがなかったわけではない。
    すずめもどこかでそれを感じていた。すずめにはどこかに行きたいという気持ちがあった。
    新海監督自身が長野県の山に囲まれたところで育ったため外に出たいという気もちを常に持っていた。

  4. 「お返しします」「お返し申す」という言葉にこめられたものについて

    家を建てる時は地鎮祭をやるのに無くなっていく時はなにもやらない。
    無くなった場所をもともとの自然に返すのが閉じ師の役目。
    最後は「行ってきます」にしたのは、この場所は返すけど自分たちは別の場所に行きますというのを込めた。

 

以上、舞台挨拶レポでした!この先は私自身の感想になるので興味ない人はスルーで

 

感想

 

この『すずめの戸締まり』という作品を見て、まず思い浮かんだのは新海監督の別作品の星を追う子どもでした。

 

これもかなりファンタジー色の強い作品で

 

・アガルタ(死後の世界)

・猫(のような神に近い生き物)

・クラヴィス(鍵)

イザナギイザナミなど神話をベースにしている

 

などいろいろ共通点があります。

 

まあ詳しくは本編見てください。(丸投げ)

(書いてて思ったんですが、女主人公も『星を追う子ども』以来ですね。)

 

www.cwfilms.jp

 

私はそんなに『星を追う子ども』嫌いじゃないんですが、当時はけっこう酷評で、まあ実際ジブリエヴァをめちゃくちゃ意識しているな~という感想でした。

 

ただ、今作は『星を追う子ども』で微妙だったところが払拭されていました。

 

『すずめの戸締まり』も新海監督作品の中ではファンタジー色の強いものになっていると思うんですが、日常も隣り合わせにあるというのがちゃんと描写されているのですんなり世界に入り込めた気がします。

 

例えば、草太さんは閉じ師なんてやってるわりにはちゃんと大学に通って教職取っていたり、芹澤みたいな友人がいたり。

あと、テーマがめちゃくちゃ重いのにコミカルなシーンも多くバランスが良かったです。

 

そして、何より音楽!

今作から劇伴作家の陣内一真さんを迎えたというだけあり、音楽が作品に溶け込んでいました。

 

君の名は。』でどうしても気になるところを1つ挙げるとしたら、最後の方で連続でRADWIMPSの音楽が流れるシーンが少し音楽PVみたいになってしまっているところだったんですね。

(あれはあれで勢いがあるし、音楽の力でぐいぐい引っ張ってくれているのであの演出が悪いと言いたいのでは決してないです!!!)

 

劇場の音を意識した、と監督が言っていただけあって迫力がありつつ作品の邪魔は全くしていなくて素晴らしかったです。

 

あと、みんな大好き芹澤朋也

 

Twitterで右を見ても左を見てもみんな「芹澤朋也」で、新海作品でここまで特定のキャラがオタクの心つかむの初めてではないでしょうか。

私もイチオシは芹澤朋也です。

 

実際、舞台挨拶で監督もこんなに芹澤が注目されていることに困惑していて、たぶん狙って作ったキャラクターじゃない良さもあるんでしょうね。

チャラそうに見えて友人思いだったり、教員志望(学生証によると大学は立教)だったり、そういうところが一見正反対の草太さんと気が合うのかなあ、とか描写が少ないことでより妄想がはかどりますね。

(ちなみに草太はさん付けで芹澤はフルネーム呼び捨てなのに深い意味はないです)

 

最後に、監督の言葉で一番刺さったのが「自分が自分に救われる物語」でした。

パンフレットでも「誰もが『君の名は。』の瀧に出会えるわけでも『天気の子』の陽菜に出会えるわけでもない」と言っているんですが、今作は今まで以上に観客に寄り添って作られた作品なのかなと個人的には思いました。

 

つらつらいろんなことを言いましたが、とにかく素晴らしい作品でした!

ここまで読んでくださってありがとうございました。

 

 

【レポ】「氷菓」アニメ化10周年記念ミュージアム in AKIHABARAゲーマーズ本店

本日5月25日よりAKIHABARAゲーマーズ本店で氷菓の10周年記念ミュージアムが始まりました!🎊🎊

10周年おめでとうございまーす!!

 

https://tc-gamers.techorus-cdn.com/resize_image/resize_image.php?image=05201117_6286fa409f289.jpg

 

www.gamers.co.jp

 

有休を取って万全の体制で行ってきたのでレポを載せたいと思います。

 

場所はAKIHABARAゲーマーズ本店の7Fです。

 



 

こんな感じの本当にちょっとしたスペースだけの展示ですが、氷菓の展示があるというだけで感無量です!!!

※ちなみに写真撮影ok・SNS投稿ok

 

左の壁面は主に版権イラストが展示されていました。

 

 

右手側にはモニターがあり、あの遊佐浩二さんナレーションの氷菓のPVが流れています。

 

 

ところでナレーションが遊佐さんだったことが未だに「わたし、気になります」。

本編にも登場するかと思いきや全くのナレーションだけだったというミステリー。

 

そしてモニターの下にはBlu-rayと書籍が。

原作は「氷菓」だけしか置いてないですが、帯が直木賞帯…!

 

 

 

そして、今回の10周年記念ミュージアムは展示だけではありません。

なんと新作グッズの販売もあるんです!

もちろん新規絵ではないですが!ないですが!こんなに一気に氷菓のグッズが出るなんて久しぶりすぎてなんか頭がふわふわしてます。

で、そのグッズの展示もあります。

 

 

氷菓 トレーディングブロマイド2枚セット(全24種/トレーディング)
価格:440円(税込)

https://www.gamers.co.jp/upload/save_image/04281250_626a0f1e2a13c.jpg

https://www.gamers.co.jp/upload/save_image/04281250_626a0f1e2a13c.jpg

 

氷菓 トレーディングクリアファイル(全11種/トレーディング)
価格:550円(税込)

https://www.gamers.co.jp/upload/save_image/04281250_626a0f232acd2.jpg

https://www.gamers.co.jp/upload/save_image/04281250_626a0f232acd2.jpg

 

氷菓 トレーディングアクリルスタンドフィギュア vol.1(全13種/トレーディング)
価格:1,100円(税込)

https://www.gamers.co.jp/upload/save_image/04281251_626a0f285265a.jpg

https://www.gamers.co.jp/upload/save_image/04281251_626a0f285265a.jpg

 

氷菓 トレーディングアクリルスタンドフィギュア vol.2(全11種/トレーディング)
価格:1,100円(税込)

https://www.gamers.co.jp/upload/save_image/04281251_626a0f2d75d4d.jpg

氷菓 トレーディングアクリルスタンドフィギュア vol.2

 

ただし

 

残念なことにロット買いはできません

 

もはや運を天にまかせるしかない。

 

欲しいグッズの札をレジに持って行って個数を伝えるとレジ後ろから店員さんが個数分を出してくれるシステムです。

なので神の手を持つ店員さんを引き当てましょう。

 

お店によってはまとめて買うと意外と順番通りきたりするところもあるんですけどねー。

 

先に言っておきます。

けっこうかぶります。

(私の戦利品についてはのちほど…。)

 

現地いけないよー😿って人はオンラインでも買えるのでご安心ください。

 

www.gamers.co.jp

www.gamers.co.jp

www.gamers.co.jp

www.gamers.co.jp

 

ただ5/25時点ですでにクリアファイルとブロマイドが販売終了になっているんですが…まさか復活しないとかないよね…?

言ってしまえば旬ジャンルでもないし、まさか初日に売り切れ起こすとは予想外です。

(ただ店頭ではまだ買えたはず)

 

※5/28追記

クリアファイルとブロマイドは店頭でも売り切れていたようで、再販が決まったそうです!

 

ただ、店頭レジでの受付のみなので遠方の人たちへの措置も何かしてあげて欲しいなあと思う今日この頃。

 

さて、展示も見た、戦利品もゲットした、よし帰ろう…となるところですが

 

ちょっと待った!!!

 

エレベーターの扉も見忘れないようご注意ください。

 

 

氷菓のラッピングがされてます。

 

そして、7Fなのでたいていの人は行きも帰りもエレベーターを使うと思うんですが、帰りは階段を使うことを推奨します!!!

 

なぜなら階段の壁面にも氷菓のポスターが飾られているから。

 

 

ここだけじゃなくてけっこういろんな階で見かけたのでぜひお帰りの際も氷菓気分を味わってください。

 

最後に開封の儀

途中でフォロワーさんと合流してアキバのパセラでバリバリ開封しました。

 

画像

 

これが

 

👇

 

こう

画像

 

そして

 

👇

 

こう

画像

 

いやもうけっこうかぶりました。

ここから長い闘いがはじまる…!

 

せめて奉えるはそろえたい。

 

というわけで戦利品がまた増えたらこの記事も更新したいと思います。

 

記念ミュージアム6/15までやってるのでレッツゴー!

 

そして、ゲーマーズのグッズとは別で本日よりくじ引き堂のオンラインくじも始まりました!

 

kujibikido.com

 

これは完全オンライン。店頭での販売はありません。

その場でぱぱっと引けちゃうので、これはけっこう危ない…際限なく引いてしまいそうになる…。

 

とりあえず10連を引いた結果

 


これマイページから普通に見れる情報です。

なんかもうこう一目で自分が持ってないものがわかるのも購買意欲を煽ってきますね。

そもそも10連という言い方がソシャゲのガチャを彷彿とさせて気軽に回してしまうんですよね…。


A賞の千反田さん引けたから奉太郎も並べたいという欲が。

あ、10連引くとおまけで文集「氷菓」のブックカバーがついてきます。

ぶん回す予定の人は単発より10連引いた方がお得だと思います。

 

そんなわけで本日は氷菓三昧で楽しい一日でした~

ハッピーアイスクリーム!(違う)

 

 

『黒牢城』サイン会レポ(2022.4.23)



米澤先生の『黒牢城』のサイン会に参加してきました!

約2年ぶりの対面でのサイン会。

 

 

直木賞受賞作のサイン会ということでどれだけ激戦となるのか戦々恐々としていたのですが…無事当選してました。

ただ、当初100名枠だったのが若干増えたみたいですね。(私は100番以降だった)

ありがたや。

 

そもそも最近Twitterもあまり見れてなくて、いろんな情報に疎くなってたんですが、グーグル様がなんか知らないけど「米澤先生のサイン会やるよ!」って知らせてくれまして慌てて申し込んだ次第です。

 

グーグル神まじグッジョブ。(でも好み把握されてんの怖くない???)

 

で、会場はこんな感じ。

 

 

金 屏 風

 

そう、米澤先生が金屏風背負って座っていらした。

いやでも確かにおめでたいし?先生の神々しさが増してるな、くらいにしか考えてなかったんですが、冷静に考えるとちょっとすごい笑

 

あと並んでるときに先生の足元が良く見えたんですが、青いラインの入った白スニーカーがカジュアルで新鮮でした。

 

コミュ障な私は質問なんてできるはずもなく、とにかく「直木賞受賞おめでとうございます」と「古典部新作も楽しみにしてます」を早口でお伝えし颯爽と去りました。

 

 

サインが終わるたびに一人一人に胸の前でパーとグーを合わせる礼をされているのがとても印象的で(中国の抱拳礼に近いかな?でも手が反対だったような気がする)この非接触が推奨される時代になんとか感謝を伝えようとしてくれる先生、本当に謙虚なお人柄だなあ、と。

 

これからまた対面のサイン会やイベントが増えるといいですね。

 

そして、フォロワーさんのツイートで知ったんですが、この場に古典部愛蔵版の企画立案者の編集さんがいたらしいです。

 

あなたが神か。

 

【お知らせ】奉える&里まやアンソロジーに参加させていただきました

 

こんにちは。

 

このたび、脱省エネ推進委員会さまの奉える&里まやアンソロジー閑話休題 -それはさておき-」に参加させていただきました!

 

 

とらのあなさんとメロンブックスさんで通販始まってます。

 

久しぶりのアンソロ!久しぶりの同人誌!

血沸き肉踊りますね。

 

主催のあまえびさんには毎回大変お世話になっておりまして、今回で4回目のアンソロ参加となります。

 

いつもお誘いありがとうございます。

 

そして私は参加者特典でいち早く読ませていただきました!

 

 

いやもうね、最高でした。

ネタバレになるのであまり詳細には言えないんですけどみなさんの愛が詰まってます。

 

私は「祐」名義で「薔薇色の日々」「近くて見えぬは睫」という小説2作品を掲載してもらっています。

 

「薔薇色の日々」
大学生になった摩耶花と里志のお話。

 

「近くて見えぬは睫」
奉太郎と千反田さんの地学講義室での一コマ。
概算の"あの人"について捏造 自分なりの解釈してます。

 

奉える&里まやと言ってはいるものの、私の小説は恋愛要素薄めです・・・。

でも他のみなさんの作品がほんとうにほんっとうに素晴らしいのでぜひ手にとってみてください。

 

 

そして最後に

 

米澤先生、『黒牢城』直木賞受賞おめでとうございますーーー!!!

 

 

京アニフェスの話 ~第5回京都アニメーションファン感謝イべント~

2021年11月20日、21日。京アニの音楽フェスが開催されました。

 

まずは、無事の開催おめでとうございます。いろいろありましたが本当に良かった。

 

コロナを考慮して残念ながら私は配信での視聴にしました。

コロナ禍でイベント等のオンライン配信が充実したのはありがたいことです。

 

もちろん生の雰囲気も味わいたいですが!

 

kyoani-event.com

 

セットリストは以下の通り

 

DAY1 11.20(土)
  1. ユメミタソラ/相沢 舞
  2. ドラマチックマーケットライド/洲崎 綾
  3. ねぐせ/洲崎 綾
  4. プリンシプル/洲崎 綾
  5. Naked DiveSCREEN mode
  6. 純真Always田所あずさ
  7. Naru/ラックライフ
  8. オレンジ色/ChouCho
  9. Songbirds/Homecomings
  10. Don't say "lazy"/TRUE
  11. ふわふわ時間田所あずさ
  12. 優しさの理由/ChouCho
  13. From EVER BLUE/加藤達也
  14. Rhythm of new sensation/加藤達也
  15. Departure for the future/加藤達也
  16. Pure blue starting〜Starting days/加藤達也
  17. Starting to the future/加藤達也
  18. Relate to you/加藤達也
  19. Into the new world/加藤達也
  20. Never seen landscapes/加藤達也
  21. Don't matter anymore/加藤達也
  22. We could be free/加藤達也
  23. トゥッティ!北宇治カルテット
  24. ヴィヴァーチェ!北宇治カルテット
  25. Blast!/TRUE 
  26. サウンドスケープ/TRUE 
  27. DREAM SOLISTER/TRUE 
  28. てとてとて/DAY1出演アーティスト

http://kyoani-event.com/news008/より

 

DAY2 11.21(日)
  1. ユメミタソラ/相沢 舞
  2. Sparkling DaydreamZAQ
  3. VOICE/ZAQ
  4. JOURNEY/ZAQ
  5. INSIDE IDENTITY/Black Raison d'être + ZAQ
  6. Van!shment Th!s World/Black Raison d'être + ZAQ
  7. 境界の彼方茅原実里
  8. 会いたかった空茅原実里
  9. 約束の絆/茅原実里 + ZAQ + Towana
  10. めいど・うぃず・どらごんず♥/スーパーちょろゴンず
  11. イシュカン・コミュニケーション/スーパーちょろゴンず
  12. 愛のシュプリーム/fhána
  13. 青空のラプソディ/fhána
  14. 優しい忘却茅原実里
  15. ハレ晴レユカイ茅原実里 + ZAQ + TRUE
  16. もってけ!セーラーふく/スーパーちょろゴンず
  17. ヴァイオレット・エヴァーガーデン劇伴メドレー/Evan Call
  18. Sincerely/TRUE
  19. エイミー/茅原実里
  20. みちしるべ ~Movie Version~/茅原実里
  21. WILL 未来のひとへ 〜Movie Version〜/TRUE
  22. Violet Snow/結城アイラ
  23. てとてとて/DAY2出演アーティスト

http://kyoani-event.com/news008/より

 

な、な、なんと

 

優しさの理由」があるーーーー!!!

 

ChouChoさんが出演されるのは事前にわかっていましたが、まあ歌うのはツルネのEDだけだろう…と思っていたわけです。

 

いや、今までの京アニイベントでの氷菓の扱いを考えるとね、うん。

 

★2015年 第2回京アニ&Do ファン感謝イベントでの思い出(氷菓編)

 

★2017年 第3回京アニ&Do ファン感謝イベントでの思い出(氷菓編)

 

写真使いまわしではないです。氷菓の展示は毎回このポスター1枚きりなんです。

※キャストのサイン入りポスターは撮影禁止

 

閑話休題

 

氷菓の映像がバックに流れつつのChouChoさんの生歌最高でした。

 

あと、氷菓のイントロが流れた時の客席の湧きあがり方嬉しかったですね。

多分極力声はださないようにみなさんしてたと思うんですが、思わずといった感じで出ていた歓声が画面越しにも伝わってきました。

 

氷菓愛されてる

 

 

これもうたびたび言ってることなんですけど、原作者の米澤先生が以前講演会で

人の物語に関わるから傍観者の主人公(奉太郎)には優しさと共感する力があってほしい

と言っていたのが本当に印象的だったんです。

「優しさの理由」はまさに奉太郎の曲ですね。

 

そしてFree!シリーズからは加藤達也さんの劇伴演奏。

 

開幕突然出てくる信長くん、そしてイワトビちゃんとサメヅカちゃんの着ぐるみ。

 

めっちゃシュール。

 

オルドコがあんなことになってしまったから主題歌なしですが、今までオケコンをやってきた経験もあるので問題なし!

 

いやでもほんのちょっとだけSTYLE FIVE出演しないかな~なんて期待は、ね、ありましたけれども。

北宇治カルテットとBlack Raison d'êtreは出演していただけに。スーパーちょろゴンずなんてあんな気合入ったコスプレしてくれてただけに。

結局STYLE FIVEって今まで1回だけイベントで歌ったきりですよね・・・。

 

まあそれはともかく、音楽アニメでもないのに劇伴だけで勝負できるってけっこうすごいことだと思います。

 

京アニのアニメはOPEDが注目されがちだけど、Free!に限らず劇伴がすばらしい作品が多いですね。

 

そしてDAY2では「ハレ晴レユカイ」と「もってけ!セーラーふく」が!

氷菓しかり、角川作品は京アニイベントではあまり触れられることがなかったので嬉しいです。

オリジナルキャストさんの歌唱ではなかったものの、普段見ることのできない異色の組み合わせと茅原さんの「優しい忘却」は聞けたし満足。

 

茅原さんのコメントもじーんと来ました。本当にいつまでたっても色あせない作品です。

 

いつか京アニフェスでSOS団がみんな揃ったら嬉しいなあ。

 

ほぼ「優しさの理由」の話しかしませんでしたが、いやもう京アニ作品好きにはたまらないセトリでした。

 

他にもあんな人やこんな人からビデオメッセージが届いてたり見どころ満載です!

 

kyoani-event.com

 

京都アニメーション「私たちは、いま!!特別展」 ~オリオン書房ノルテ店~

f:id:u_cannot_esc:20210621000508j:plain

6月11日より開催中の京都アニメーション「私たちは、いま!!特別展」に行ってきました。

 

場所は立川のオリオン書房ノルテ店です。

 

 

実は立川にはオリオン書房が4店舗もあります。

 

オリオン書房ノルテ店
オリオン書房ルミネ立川店
オリオン書房アレア店
オリオン書房サザン店

 

今回展示をやっているのはノルテ店ですのでお間違いのないよう。

 

ノルテ店は多摩都市モノレール立川北駅のすぐ近くです。JRで来る方は少し歩くかと思います。

 

 

 さて、肝心の展示についてです。

 

今回は原画を紹介するとともに、素人目線で恐縮ですがそこに書かれているメッセージについて注目をしていきたいと思います。

 

 

はじめに

今回の展示は写真撮影・SNS投稿OKです。

親切なことに張り紙まで。

 

 

まあ、普通の本屋の一角で展示をやってるので常識の範囲内で、ということですね。

 

そして展示内容は以下の3作品になります。

 

 

展示数は約60点だそうです。

 

それでは早速見ていきましょう。 

 

「劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン

こちらの作品については以前感想なんかを書いたりしているのでもしよかったらご覧ください。

 

u-cannot-esc.hatenablog.com

 

60年後のヴァイオレット・エヴァーガーデンの世界

まずは映画の冒頭に出てくるアンの温室のカットです。

 

 

f:id:u_cannot_esc:20210618210040p:plain

こちら冒頭10分の動画が公式より公開されているので比較。

そんなに大きく変更されているようなところはないですね。

 

ただ、原画ではとても細かい指示が出されているのが分かります。

 

f:id:u_cannot_esc:20210620095143p:plain

 

アンの家 60年後サンルーム 冬のはじめ(昼過ぎ晴れ)

 

ここ、実際の映像でも冬のキンっと冷えて冴え冴えと晴れた空気が感じられました。

 

そしてヴァイオレットちゃんたちが生きていた時代より60年後、と考えるととても感慨深いです。

ヴァイオレットちゃんもギルベルトもアンも、もういないけれど手紙は残り続けているというこの作品の象徴のようなシーンだと思います。

 

 窓の開閉と光源についての指定。

f:id:u_cannot_esc:20210620100036p:plain

f:id:u_cannot_esc:20210620100519p:plain

 

実際の映像を見ると確かに窓がちゃんと開いています。ただ原画の時点だと窓が開いているのは一か所ですが、映像では二か所開いてますね。

 

このたった1枚の原画に本当にこだわりが詰め込まれているんだなあ、と感動します。

 

 郵便博物館をデイジーが訪ねるシーン。

 

公開当時少し話題になっていましたが、この老女、ネリネ嬢です。

 

 

ちゃんと「ネリネ」の文字が…!

 

C.H郵便記念財団 郵便博物館にデイジーが訪ねていったときにいた老婆。あれは C.H 郵便社の受付で働いていたネリネです。実はデイジーが声をかけたときに居眠りしてるんですよ。そういう細かいところのお芝居も絵を描く人たちが頑張って作っています

引用:Greeting | 『劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン』公式サイト

 

TVシリーズでは肉食系女子な印象でしたが60年の時を経てすっかり落ち着いた女性になりました。

 

エカルテ島にて

今回の展示はエカルテ島のシーンのものが多かった気がします。

まずはこちら。

 

 

全視聴者が共感したと思われるホッジンズの

 

「おおばかやろおおおおおおおおおおおおお」

 

のシーンです。

 

子安さんの演技もさすがでした。

公式ファンブックでギルベルト役の浪川さんもこのように語っています。

 

(浪川)これまで子安さんと共演させていただいた中で、あの声の出し方は見たことがなかったですし、全身で叫んでいるようでした。

引用:VIOLET EVERGARDEN the Movie -The Life of Violet Evergarden- より

 

そして注目したいのがここです。

 

 

 

「涙・水滴」とあります。

雨に濡れていて分からなかったんですが、ここのホッジンズは泣いていたんですね。

感情の高ぶりがよく分かります。

 

次は、劇場版ヴァイオレット・エヴァーガーデンの最大の盛り上がりとでも言うべきシーンの原画です。

 

 

ヴァイオレットちゃんとギルベルトが再会する海でのシーンです。

 

 

動画様すみません

このcutの表情のニュアンス超ていねいに、せんさいにひろってください。

線の抑揚もお願い致します。

 

ここのシーンにどれだけ力を入れているか分かる指示です。

また、線にあえてゆらぎを入れる、というのがギルベルトの心のゆらぎを表現しているようで良いです。

 

 

 

映画見た方は分かると思いますが、ギルベルトが最後ヴァイオレットちゃんを追いかけるシーン、めちゃくちゃ勢いよく転んでましたよね。

それはもう心配になるくらいごろんごろんと。

 

こちらはその汚れや砂なども細かく描写されているのが分かるカットです。

 

 

本当に細部へのこだわりがすごいです。

 

 

このヴァイオレットちゃんの涙も美しいですね。

 

「耳」ってちゃんと書いてあるのがちょっとほっこり

 

とにかく海のシーンは最高でした!

 

「愛してる」の意味

 

こちらは原画にも書いてある通り、TVシリーズ1話のラストシーンなのですが、展示自体は劇場版ヴァイオレット・エヴァーガーデンのコーナーにありまして、劇場版の回想のカットかと思われます。

 

少女兵時代のヴァイオレットちゃんが少佐に「愛してる」と言われたシーンです。

 

 

少佐がいなくなりそうなのがつらいと同時に「愛してる」が分からないというニュアンスを込めて!

感情のきわにいるかんじで!

 

ビミョーなニュアンス拾って動画作業お願い致します!

 

書いてある指示の熱量からも分かりますがかなり力が入っています。

そもそも物語上めちゃくちゃ重要なシーンです。

 

この言葉がきっかけでヴァイオレットちゃんの長い旅が始まると言っても過言ではありません。

 

そして制作者が意図している通り微妙な感情のゆれがヴァイオレットちゃんの表情からも見事に表現されています。

 

TVアニメ「ヴァイオレット・エヴァーガーデン

展示の構成上、劇場版とTVアニメが分かれていたのでこちらのブログでも分けてご紹介します。

 

第10話「愛する人は ずっと見守っている」

 TVシリーズ第10話は劇場版にも繋がるアン・マグノリアのお話です。

 

アンとアンの母のシーンから1枚。 

 

こちらも細かい指示がされているのが見て取れます。

 

目の処理について

 

で、ちょっと注目したいのがこちら。

 

 

仕上げ様へ

鼻の頭にブラシが入るキャラがいます。ロング時は省略されます。

アタリはペイント時に消してください。(ブラシ色でのペイントは不要です。)

 

ヴァイオレット・エヴァーガーデンのキャラクターって鼻の頭にちょっと赤みのあるキャラとそうじゃないキャラがいますよね。

他の京アニ作品ではあまり見ない特徴です。

 

メインキャラクターでいうとヴァイオレットちゃんエリカがそうです。

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引用:Character | 『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』公式サイト


カトレアとアイリスには入ってないんですよね。あと男性陣(特に大人)は入ってない印象です。

 

原画のアタリからも分かるように、アンには入っています。

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引用:Story | 『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』公式サイト

比較的年齢の低いキャラ、もしくはかわいい系の女性キャラには鼻の頭にブラシが入っている気がします。

 

カトレアとアイリスは大人の女性だから…!(フォロー)

 

 劇場版の60年後にはこの小さかったアンももう亡くなってしまっていない、というのがあらためて感慨深いです。

 

第5話「人を結ぶ手紙を書くのか?」

公開恋文のお話。こちらもTVシリーズでは屈指の名エピソードです。

 

シャルロッテとアルベルタの関係性がいいんですよ

 

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引用:Story | 『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』公式サイト

こちらは花嫁姿のシャルロッテです。

ちょうど公式サイトのストーリー紹介のところにこのシーンがありましたので引用させていただきます。

 

 

シャルロッテが頭に挿しているのは白い椿の花です。

 

5話では白い椿が印象的に使われております。

白椿の庭でダミアンに出会い、嫁ぐ時にはアルベルタに白椿を髪に挿してもらいました。

 

白い椿の花言葉

  • 「完全なる美しさ」
  • 「申し分のない魅力」
  • 「至上の愛らしさ」

だそうです。

 

シャルロッテはきっとこの花言葉にふさわしい女性になることでしょう。

 

小林さんちのメイドラゴン

最後はこちらの作品から。

2021年7月には2期の小林さんちのメイドラゴンS」も始まるので要チェックです!

 

才川とカンナちゃん

幼女にしていろいろと"目覚めて"しまっている才川

 

 

どれも才川の表情がひどい。(誉め言葉)

 

ヴァイオレット・エヴァーガーデンと比べると線が少なくシンプルな印象です。

 

そして汗の描き方が少し特徴的。

 

 

ちゃんとカゲまでつけています。細かい!

 

今回メイドラゴンの原画は特にこの二人のものが多かったような気がします。

 

カンナちゃんはかわいいからね!しょうがない!

 

カンナちゃんみたいな少しマスコット的で一挙手一投足がかわいい幼女のキャラクターを描かせたら京アニの右に出るものはいないと思います。

 

 最後に

いろいろな原画を紹介しましたが、何より私が好きなのはだいたいどの原画にも入っている「よろしくお願いします」の一言です。

 

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これを見ると、様々な人の手を経て、リレーのようにバトンを繋いで一つのアニメーション作品が完成する、ということを実感します。

 

そして今回紹介させていただいた原画はほんのごく一部ですのでぜひ実際に足を運んでみてはいかがでしょう

 

最後まで読んでいただいてありがとうございました!

 

『劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン』感想(ネタバレあり)

※2020年9月にふせったーやTwitterで公開していた感想を加筆修正しています。

※ネタバレしてます。ご注意ください。

 

 

はじめに

2017年10月21日。

この日、京都でTVアニメ『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』の先行上映会がありました。

 

 

これを見るためにわざわざ東京から京都へ飛びました。

これが私とヴァイオレット・エヴァーガーデンという作品との出会いになります。

 

ちょっと待てばテレビで放送されるものをわざわざ京都まで……と思われるかもしれませんが、大きなスクリーンで観た甲斐は十分ありました。(ただ、この時はFree!TYMの先行上映もあったのでそれ目当てということもありました。)

 

「劇場クオリティ」という言葉、あまり多用するのは好きではないのですがヴァイオレット・エヴァーガーデンは紛れもなく劇場クオリティのアニメでした。

 

TVシリーズのアニメを大きなスクリーンで見ると、たしかに迫力はあるんですが引きのシーンなどは細かい粗が目立つこともあります。

しかしヴァイオレット・エヴァーガーデンは驚くほど鮮明で、本当に劇場アニメとして作成されたようなクオリティでした。

 

これは本当にテレビシリーズなのか……と当時は本気で半信半疑でした。

しかも京アニのことですから1話2話のつかみだけではなく最終話に向けて作画のクオリティが上がっていくことは想像に難くありません。 

 

 実際TVシリーズの出来は本当に満足のいくもので……

とまあTVシリーズの感想はこれくらいにして、今回は劇場版の感想を綴っていきたいと思います。お付き合いください。

 

『劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン

 

冒頭のアンの手紙

ありがたいことに冒頭10分の映像が公式で公開されてます。

 

www.youtube.com

 

アン・マグノリアのお話はTVシリーズでも屈指の名エピソードです。

 

これを劇場版の冒頭にもってきたのが本当に予想外で、しかし最高の構成でした。

TVシリーズを見た人はこの時点で涙腺崩壊必須です。それと同時に、未見の人に向けてこのヴァイオレット・エヴァーガーデンという世界全体を紹介するという役割も果たしています。

 

そして注目したいのが上記の冒頭シーンにも出てきたこの手紙のアップのシーンです。

 

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引用:©暁佳奈・京都アニメーションヴァイオレット・エヴァーガーデン製作委員会
『劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン』本編冒頭シーン10分特別公開より
 


ところどころにあるシミが私には涙のあとのように見えました。

 

結婚して、子どもが生まれて、その子どもも独り立ちして孫が生まれて、とアンの人生は幸せに満ちていたことでしょう。

それでもつらいことや悲しいことはたくさんあったと思います。

そういう時に手紙を見返しては涙していたのかな、と思いを馳せるのです。

 

時間の移ろい

TVシリーズの頃から季節や時間の経過は丁寧に描写されていました。ちょくちょくはさまれる早回しで季節のうつろいを見せる演出が好きです。

 

そして今回の劇場版は時代の移り変わりがこれまでにも増して丁寧に描かれていた気がします。

 

重たい樫の扉を手で開けるドアマンの男性、街頭に火を灯していく人足、無くなっていくもの、新たにできたもの……それでも変わらない伝えたい想いがある、というのがこの映画の主題だと思います。

 

むかし、目覚まし時計が無かった時代はみんなどうやって起きてたんだろうと気になり調べたことがあります。

ヨーロッパにはなんと早朝長い棒で窓を叩いて(小石投げる場合もある)起こしてくれる人間目覚まし時計的な仕事があったとか。

これもヴァイオレットちゃんの時代には現役だったかもしれないとふと思いました。

 

京都アニメーションの日常描写

京アニ作品の映画が公開されるたびに言ってることなんですが、歩く、走る、喋る、座る、立つ、眉毛の動き、視線の持って行き方、髪の毛の揺れ、服の動き、そんな小さな日常描写を丁寧に丁寧に積み重ねているところが本当に好きです

 

挙げるとキリがないんですが、今作でいうと特に、鍵穴に一回で鍵が刺さらなくて何回か差しなおそうとするところや、最後のシーンで足が動かなくて自分の足を叩くヴァイオレットちゃんなどが好きです。

 

アニメージュ京アニ特集で杉井ギサブローさんが「アニメーションでは生活芝居が一番難しい。これを身につけたらたいていのものは描ける。逆に派手なアクションしかやったことがないのにいきなり生活芝居はできない」ということを言っていました。

 

 

昨今のアニメは作画がいいものも多いですよね。

バトルシーンなどは正直京アニよりすごいと思う制作会社さんはいくつもあります。

 

でも日常描写で京アニの右に出るものはいないと個人的には思っています。(あくまで個人の感想ですのであしからず。)

 

あらためて京アニはすごいことを当たり前のようにやっているんだなあ。

 

ギルベルト・ブーゲンビリア

ちょっと口が悪くなります。先に謝っておきます、すいません。

 

 

 

「こんのヘタレが〜〜〜〜」

 

と、劇場版のギルベルトに対しては叫びたくなりました。

 

いやだってね、なんでヴァイオレットちゃんに会いに行かないのかと。

ヴァイオレットちゃんが会いに来たのに会ってもあげないのかと。

 

「うん、記憶喪失なんだろうな、たぶん」と最初は思っていました。

 

でも別にそんな設定はなかったぜ! 

 

ただ逆に、今回の劇場版ではギルベルトの情けないところ、彼が抱えてきたものなどが見えてきて、人間味が加わった面もあります。

 

テレビシリーズはヴァイオレットちゃんから見たギルベルトの描写がほとんどだったため、ギルベルトの本心ってよく分からないところがあったんですよね。

 

パンフレットで浪川さんが、ギルベルトが先に「愛してる」を言ったことに「焦る男心」と表現していて、実はギルベルトのほうこそヴァイオレットちゃんが側にいないと駄目なのかもしれないと思いました。

 

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引用:©暁佳奈・京都アニメーションヴァイオレット・エヴァーガーデン製作委員会

『劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン』大ヒット感謝PVより

 

当初、ギルベルトを失ったヴァイオレットちゃんは無気力で生きる意味を失っていて、「ヴァイオレットちゃんはギルベルトが側にいないと駄目なんだな……」とほろりとしたものです。

しかしドールの活動を通していろいろなことを学んで、彼女はいつの間にか一人の足で立っていました

 

エカルテ島でギルベルトに拒絶された後も、一瞬もとのヴァイオレットちゃんに戻ってしまうかもしれないという考えがよぎりました。

しかしユリスのことを聞いて、嵐の中帰ろうとして、彼女がギルベルトよりも依頼人を優先させたことで、いつの間にか一人で立てるようになっていたんです。

 

ヴァイオレットちゃんはもしギルベルトがいなくても傷を抱えながら前に進めると思うけど、ギルベルトはヴァイオレットちゃんがいないと生きていけないんだと思います。たぶん。

 

とはいえ二人一緒に幸せになってくれて良かったです。

 

これからはギルベルトもヴァイオレットちゃんに情けない面を見せていってさりげなく甘えたりするんだろうなあ、と考えるとにやにやしてしまいますね。

 

特典小説『ヴァイオレット・エヴァーガーデンIF』

今作では入場プレゼントとして4種の短編小説の冊子が配布されました。

幸い全部ゲットできたのですが、いやもうこれが数量限定の特典なのが本当にもったいない!

 

 

全ヴァイオレットファンに読んでほしい

 

こちらは原作者 暁佳奈先生の書き下ろしですので当然設定は原作準拠となります。

原作はアニメとはまた違った展開となります。原作は原作でとても良いです。

原作についても語りつくしたいところですが、それはまた別の機会にしたいと思います。(長くなりそうなので)

 

4作品すべて良かったのですが、特に『ヴァイオレット・エヴァーガーデンIF』はディートフリート好きの全人類に読んでもらいたい……!

 

もういろいろ衝撃でした。

 

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引用:©暁佳奈・京都アニメーションヴァイオレット・エヴァーガーデン製作委員会

『劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン』本予告第2弾より

 

 「IF」とついている通り、もしディートフリートがヴァイオレットちゃんを手放さずそばに置いていたら、というパラレル設定のお話です。

(ヴァイオレットと名付けたのはギルベルトなのでこちらの「IF」では当然ヴァイオレットという名前ではないのですが、便宜上ヴァイオレットちゃんと呼びます。)

 

「IF」のヴァイオレットちゃんとディートフリートは別に恋人ではありません。どちらかというとギルベルトといい感じになっていることを匂わせています。

 

しかし、ディートフリートとヴァイオレットちゃんは恋人よりももっと特別な、強固な関係を築いているように感じました。

ギルベルトとはまた違った「愛」の形です。

 

原作『エバー・アフター』でディートフリートが、もしギルベルトではなくヴァイオレットちゃんが自分と一緒にいたら、ということを想像して独白する箇所があります。

 

きっとディートフリート・ブーゲンビリアの側に居たヴァイオレットは、彼の為に彼より先に死んだだろうから。

引用:KAエスマ文庫ヴァイオレット・エヴァーガーデン エバー・アフター』より

 

ディートフリートは悲観的ですが、「IF」を読む限りはやっぱりそんなことにはならなかったと思います。

「IF」は暁先生なりのディートフリートへのアンサーの物語だったのかもしれません。

 

家族でもなく、友人でもなく、恋人でもない「IF」の二人の関係が好きです。

 

ディートフリートは"彼女"になんて名前をつけたんでしょうね。

 

さいごに

あの事件があってから世界は一変し、あくまで傍観者でしかない私ですらどうしようもない喪失感に苛まれる日々でした。

 

そんな中映画の公開にこぎつけてくれた京都アニメーションさんには本当にファンとして感謝の言葉しかないです。

 

エンドロールで流れた「サポーティングスタッフ」には「全員で完成させた作品」という京アニの強い意志が感じられました。

 

本当に本当にありがとうございます。